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太陽がちょうど私たちの真上に来た頃、私はいつものように屋上で空を見上げていた。転校してきたばかりでまだ慣れてない私はよく、お昼の休憩時間にここに来ていた。屋上は本当は立ち入りが禁止されているらしいが、「転校してきたばっかりなので、知りませんでした」 と言っとけば今は大丈夫だろう。 とても静かで、時間の経過を忘れてしまいそうな場所。 そんなところに、響く声。 「おや?こんなところで何をしているんですか?」 「!」 ばっと勢いよく振りかえった先には一人の男子生徒。背が高く、モデルにでもなれそうな顔。左右の色の違う瞳に、思わず目がそちらへ向かってしまう。そして私はそんな彼に見覚えがあった。たしか、生徒会長で不良の頂点に立っている、 「ろ、六道骸…」 「僕のことをしっているようですね。それなら話は早いでしょう?」 「…ここから、出て行けと」 「そうです。ここは立ち入り禁止のはずでしょう」 「さぁ、私、転校してきたばかりだから、そんなの知らない」 「それじゃ、今教えてあげます。ここは立ち入り禁止です。さっさと自分の教室へ戻りなさい」 「…」 残酷なことを言う人だ。私の状況を知ってでもまだその言葉を言えるのだろうか。 さっき、私はクラスに慣れていないと言ったが、少し語弊がある。正しくは、クラスメイトが私を避けているのだ。話しかければ返してくれるが、それ以上はない。話が終わったら、早足で去っていく。確信はないが、きっと避けているんだろう。そう理解すると、つい先日まで「転校しても友達なんてすぐできるだろう」と軽々しく思っていた自分を消し去りたかった。 何も言わなくなった私に痺れを切らしたのか、六道がこっちへ歩み寄ってくる。 「行きますよ」 「…嫌だ」 「…今、なんと?」 「休憩時間が終わるまで、ここにいる」 「わがままですね。ここは本来立ち入り禁止です」 「そんなこと言っている君はどうなの」 「僕は特別です」 「…ずるい」 彼はどうしても私をここから連れ出したいらしく手を差し伸べる。私は思わず振りはらうと、上からため息が降ってきた。 「困りましたね…」 「…なんで」 「ちょっと約束があるんです」 「…?」 そう彼が言ったとたん、下から声が聞こえてくる。骸さーん!と、目の前の彼を呼ぶ声。聞いたことがなかったから、多分別のクラスの人なんだろう。 「彼らと一緒にここで昼食をとるんです」 「…私、別にいても大丈夫じゃない」 「僕が嫌なんです」 「…わがまま」 「君に言われたくありません」 そして、そんなことを言っているうちに彼の後ろには二人の男子生徒がいた。彼らと一緒に昼食を食べるのろう。ちょっと羨ましいと心の隅で思い、ちらりと後ろにいる二人に視線を向ける。一人は金髪っぽい髪の、犬っぽい人。そしてもう一人は、帽子をかぶった… 「…!柿本千種」 「あ、」 「なんら、柿ピー知り合いぴょん?」 「…クラスメイト。嫌われてる」 「うげー、こいつ嫌われてんの!?」 「…それ、本人の前で言わなくてよくない?」 ため息をつく。そんなにあっさり言うものなのか?まぁ、気づいてたからいいんだけど。 ふと六道を見てみると何かを考え込んでいる。 「千種、彼女は?」 「…転校生で、さっきも言いましたが、皆から嫌われています」 「理由は?」 「…わかりません」 「なるほど、そうですか…」 …なんなんだこの二人の会話は。本人目の前にいるのにそんな会話オープンしていいのか。というか若干一名こちらを憐れんだような目で見るのはやめてくれないか。私だって嫌われたくて嫌われていないんだ。 …あ、今自分で思ってちょっと悲しくなった。 だんだんとここにいるのも億劫になってきたので、移動するために立ちあがる。別の場所に一人でなれる場所、あるだろうか? 「…いいよ、私でていくよ」 「おや?いいんですか?教室へ行っても一人きりでしょう?」 「…そういうことあっさり言うのやめてくれないかな…。一応傷つくよ」 「そうですか。昼食一緒に食べないか聞こうと思ったんですけどね」 「え?」 六道の顔をまじまじと見つめる。オッドアイの中にけっこう驚いている私がいた。 彼は続ける。 「居場所がないんでしょう?それなら、と思ったんですが」 「…いいわけ?後ろの二人の意見は?」 「彼らは優しいです。いいと言ってくれるでしょう」 そんな彼の言葉に柿本君ともう一人の男子を見てみると、片方は興味がなさげに、もう片方は骸さんがいうなら、と言っていた。そんな微妙な彼らのいいという反応に、かなり不安になりながら六道に確認として再び聞いてみる。 「あの二人の反応は本当にOKサイン?」 「えぇ」 「さっき、君、嫌だって言ってなかったっけ?」 「気が変わりました」 「…」 「ほら、多めに昼食買いましたから。どうぞ」 「…あ、ありがと…」 そう言って私は彼の手をとった。 それから私は、これをきっかけに彼らと仲良くなる。そのせいでクラスメイトにますます嫌われたが、そんなの気にしなかった。なぜなら、私には新しい居場所ができたから。六道骸と、柿本千種と、城島犬。 その事実があれば、なにもいらない気がした。
20100609
HARRY BIRTHDAY MUKURO!! |